アメリカに赴任が決まると、ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)をすぐに取る必要があるらしい!と耳にしますよね。
渡米後、家の契約から車の購入など、一通りの生活のセットアップを経験した今、SSNについて知っておく事はとても大事だな!と思ったので、ご紹介したいと思います。
また、シカゴにて私が申請した際(2018年11月時点)の申請方法もご紹介します。
記事全体が少し長いので、申請方法のみ知りたい方は、SSNの申請方法から読んでください。
ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)とは
そもそもSSNとは?
日本でもマイナンバー制度が始まってしばらく経ちました。
SSN(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)とは、アメリカに在住する市民・永住者・外国人労働者に与えられる社会保障番号です。
アメリカでは、個人の確定申告や年金はこのSSNで管理されています。
また、個人のクレジット・ヒストリーもSSNに記録され、管理されています。
この「SSNにクレジット・ヒストリーが記録される」という事が今回お伝えしたいSSNについて知っておくべき大事なポイントです。
アメリカの市民は出生届と同時にSSNの申請を行い、一生同じナンバーを使い続けます。
なお、外国人であっても就労が許されるビザを保有していれば申請して取得することが出来ます。
アメリカで生活するにあたり、SSNが無いと出来ないこと
元々は社会保障制度としてスタートしたSSNですが、今はアメリカで生活するには無くてはならないものとなっています。SSNが無いと何をするにも制約が出てくると言っても過言ではありません。
(例)SSNが無いと出来ない、または難しい事
・確定申告
・電気、ガス、水道などの契約
・家や車の保険契約
・家や車のローン契約
・銀行口座の開設
・携帯電話の契約
・クレジットカードの発行
・運転免許の申請
・EAD(Employment Authorization Document:労働許可証)の申請
上にあげた例の中には一部、SSNが無くても出来る事もあります。
例えば、アパートを借りる際などは大家さんがSSN無しでも契約してあげるよと言ってくれれば大丈夫です。
また、電気やガスの契約もSSNが無い場合は他の方法が用意されています。しかし、基本アメリカではSSNを持っているものとして全てが動いています。
では、なぜSSNが無いとダメなのか、それはSSNで管理されているクレジット・ヒストリーが関係しています。
SSNに蓄積されるクレジット・ヒストリー(個人の支払履歴)について
アメリカではSSNで個人のクレジット・ヒストリー(支払履歴)が管理され、クレジット・スコアに反映されていく
Credit History(クレジット・ヒストリー)とはその名の通り、個人の借金の履歴です。
アメリカでは、以下のような支払いの履歴は全てSSNで管理され、蓄積されていきます。
・クレジットカードの支払履歴
・住宅や自動車のローン支払履歴
・公共料金や家賃の支払履歴
・納税記録
そしてCredit Score(クレジット・スコア)とは、個人のお金の支払に関する信用度を測るものです。
SSNに蓄積されたクレジット・ヒストリーに基づき信用情報機関が評価し、数値を算出しています。
SSNは一度取得するとずっと同じ番号を使い続けるため、クレジット・ヒストリーは蓄積されていき、個人のクレジット・スコアが出来上がっていきます。
アメリカでは、住宅や自動車のローンを組むときやクレジットカードを新しく発行する時は、このクレジット・スコアを見て判断されることになります。
クレジット・スコアが低い人はローンを組めなかったり、新規のクレジットカード発行が出来ないなど不都合が生じます。
つまり、アメリカではクレジット・スコアが低い=お金に関する社会的な信用が無いに等しい状態です。
クレジット・スコアが無い、もしくは低いとどうなるのか?
クレジット・スコアが無い、もしくは低いとお金に関する社会的な信用が無いに等しい事は先ほど述べました。
私は主人の企業内の転勤でシカゴに来る事になり、不動産会社を通してアパートを探しました。
借りたいアパートが見つかり、担当の不動産ディーラーの方にオーナーに連絡を取ってもらったのですが、SSNのクレジット・スコアが無いのが不安だと言われたそうです。
担当の方から「日本から来たばかりでクレジット・スコアが無いこと」、「企業内の転勤で来たため必ず毎月家賃は支払う事ができる事」を説明してもらい、理解してもらえたので通常のデポジット(敷金みたいなもので、シカゴでは通常家賃の1ヶ月分です)のみで済みました。
SSNが無いと通常の倍以上のデポジットを要求されたり、最悪の場合は部屋を貸してもらえない事にもなってしまいます。
また、これはアメリカ生活が長い方から聞いた話なのですが、車の保険料にもクレジット・スコアが関係しているそうです。
今回の赴任にあたり車を購入したため、車の保険にも加入したのですが、保険料が驚くほど高かったです。
アメリカでの運転歴が無いため初心者扱いになるという事もありますが、クレジット・スコアが無いというのも保険料が高くなってしまう理由だそうです。
SSNにクレジット・ヒストリーが蓄積され、クレジット・スコアが算出されるまで大体1年ほどかかるそうなので、アメリカのクレジットカードを積極的に使ってクレジット・ヒストリーを作る事をオススメされました。
良いクレジット・スコアを作っておけば、2年目からはグッと保険料も下がるそうです。
おまけ:クレジット・スコアが無くても作れるアメリカのクレジットカード
アメリカのクレジットカードはそもそもSSNとクレジット・スコアが無いと申し込む事が出来ません。
アメリカに赴任が決まってクレジットカードを作成した場合はどうすればいいのでしょう?
以下のカードはSSNとクレジット・スコアが無くても申し込む事が出来ます。
赴任の前にカードを申請し、渡米後SSNを取得したらすぐにクレジット・ヒストリーを作れるようにしておくのがオススメです。
私は旦那さんが申し込んだANA USAカードの家族カードを使っています。
マイルも貯めることができるので、どちらのマイルを貯めたいかで選んでもいいかもしれません。
SSNの申請方法
ここまでは、SSNの役割についてお伝えして来ました。
ここからは、申請方法と申請から取得までにかかる時間についてお伝えします。
申請方法
SSNの申請は、Social Security Office(ソーシャル・セキュリティ・オフィス)に行って行います。
自分の家から一番近いソーシャル・セキュリティ・オフィスはアメリカのソーシャル・セキュリティのホームページでZIP Code(郵便番号)を入力しする事で検索できます。
こちらにリンクを貼っておきます。→ソーシャル・セキュリティオフィスホームページ
必要書類
・SS-5(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー申請書)SS-5のダウンロードはこちら
・パスポート
・VISA(パスポートに貼られています)
・I-94(アメリカの入出国履歴を印刷したもの)I-94のダウンロードはこちら
L2などの帯同ビザの場合は以下の書類も必要です。
・Marriage Certificate(婚姻証明書)→戸籍謄本原本など(発行から3ヶ月以内のもの)
・Marriage Certificateの英訳(日本総領事館でやってもらえます)
日本総領事館での英訳申請は、各地の日本総領事館のホームページで必要書類等を確認してください。
シカゴの日本総領事館のホームページはこちらです。
私は日本総領事館で翻訳申請後、1時間で翻訳書類を受け取ることができました。
SS-5の記入法(初めて申請する場合)
少しでも参考になれば幸いです。
1.NAME | 氏名 | (First) 太郎 (Last) 山田 |
2.Social security number previously assigned to the person listed in Item1 | 過去に割り当てられたソーシャル・セキュリティ・ナンバー | 空欄でOK |
3.PLACE OF BIRTH | 出生地 | (City) 例:Kyoto
(State or Foreign Country) 例:Japan |
4.DATE OF BIRTH | 生年月日 | (MM)月 (DD)日 (YYYY)年 |
5.CITIZENSHIP | 市民権 | 就労が許可されているビザ(L1,L2など)であれば、Legal Alien Allowed To Work にチェック、そうでなければ Not Allowed にチェック |
6.ETHNICITY
(Are You Hispanic or Latino?) |
人種(ヒスパニック系かラテンか) | No |
7.RACE | 皮膚や髪の色などの身体的特徴による人類の分類 | Asian |
8.SEX | 性別 | (Male)男 (Female)女
いずれかにチェック |
9.
A.PARENT/MOTHER’S NAME AT HER BIRTH B.PARENT/MOTHER’S SOCIAL SECURITY NUMBER |
A.母親の旧姓、名前
B.母親のソーシャル・セキュリティ・ナンバー |
A. (First) 名前 (Last) 旧姓
B.母親が過去にソーシャル・セキュリティ・ナンバーを取得していない場合は空欄 |
10.A.PARENT/FATHER’S NAME
B.PARENT/FATHER’S SOCIAL SECURITY NUMBER |
A.父親の氏名
B.父親のソーシャル・セキュリティ・ナンバー |
A. (First) 名前 (Last) 姓
B.父親が過去にソーシャル・セキュリティ・ナンバーを取得していない場合は空欄 |
11.Has the person listed in item 1 or anyone acting on his /her behalf ever filed for or received a Social Security number card before? | 申請者もしくは申請者の代理の者が過去にソーシャル・セキュリティ・カードの申請もしくは受領をしたかどうか | No |
12.Name shown on the most recent Social Security card issued for the person listed in item 1 | 11でNoを選択した場合は空欄 | |
13.Enter any different date of birth if used on an earlier application for a card | 11でNoを選択した場合は空欄 | |
14.TODAY’S DATE | 申請書記入日 | (MM)月 (DD)日 (YYYY)年 |
15.DAYTIME PHONE NUMBER | 日中の連絡先 | アメリカでの連絡先電話番号 |
16.MAILING ADRESS | ソーシャル・セキュリティ・カードの送付先住所 | (Street Address, Apt.No, PO Box, Rural Route No)住所
(City)市 (State)州 (ZIP Code)郵便番号 |
17.YOUR SIGNATURE | 署名 | パスポートと同じ署名 |
18.YOUR RELATIONSHIP TO THE PERSON IN ITEM 1 IS | 申請者との関係 | Self(本人)を選択 |
ソーシャル・セキュリティ・オフィスでの申請当日について
私が行ったのは、シカゴのダウンタウンにあるソーシャル・セキュリティ・オフィスです。
オフィスに入る前にセキュリティチェックがあります。
食べ物・飲み物の持ち込みは不可なので、持っている場合は没収され、捨てられます。
中に入って番号札をもらい、申請順番を待つことになります。
ソーシャル・セキュリティ・オフィスはとても混むので、出来れば朝一で行くのがオススメです。
私が行ったオフィスは9時から空いていたのですが、寝坊してしまい到着したのは11時で既にたくさんの人が申請の順番を待っていました。
朝一で行く事が出来ない場合は大体1時間程待つ事になると思います。
かなり退屈するので、携帯や本を持って行くのがオススメです!(私は本を忘れてしまい、すごく退屈でした)
自分の順番が回ってくると、掲示板に番号が表示されます。
申請ブースで必要書類を渡すと、職員の方がPCに情報を入力します。特に何も質問はされませんでした。
最後に紙を1枚渡されて終了です。
カードは大体1週間から2週間で到着すると思うと伝えられました。
申請からソーシャル・セキュリティ・カードが送られてくるまでの日数
私は申請から1週間程度で送られてきました。早い人は3日程度で送られてきたようです。
3週間から1ヶ月待っても送られてこない場合は、オフィスに電話で問い合わせるか、再度オフィスに行って尋ねてみることをオススメします。
おまけ:帯同ビザ(L2ビザ)であってもSSNの申請は出来ます
私は今回L2ビザで渡米しています。
最初にお伝えしましたが、外国人であってもアメリカで就労が許可されたビザを保有する者であればSSNを申請する事が可能なため、申請可能です!
L2ビザでSSNが必要かどうかですが、現地で車を運転するならば、免許の申請時に必要なので申請しましょう!
以上、長くなってしましたがソーシャル・セキュリティ・ナンバーについてでした。
参考になれば幸いです。
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